画用紙に色鉛筆
海をはさむ
2020|commissioned Planning / Design (Banner,Illustration)
開業予定だった恵比寿のスペースAFTER BOOKSのプレイベント「vol.0 unlearn -余地をもちよる-」シリーズのひとつとして、《海をはさむ》と題したイベントを芸術探検家の野口竜平と共同企画した。内容はゲスト2名による発表──シンガーソングライターよだまりえ*1の1年間のニュージーランド滞在に関しての話と歌、および映画監督・演出家の今野裕一郎*2の映画《水の大師の姉弟》の上映。《水の大師の姉弟》は今野が大学時代の同期2名と協働してつくった卒業制作で、兵庫県・淡路島で旅館を営む姉と弟の2人を撮影したドキュメンタリー映画である。
私の作業は主にタイトル/イントロダクションテキストの提案と、宣伝用のビジュアルをつくることだった(前者の部分に関しては野口との共同で作業が行われ、その結果が掲載している画像内のテキストである)。ニュージーランドと淡路島の二つの共通点に「島」があり、島というキーワードから企画や設えを考えていった。
ビジュアルはゲストそれぞれの映像作品のワンカットを元に絵を描き、加えてまったく関係のない個人的な写真などを元にした絵を組み合わせたもの。作っている時は、複数の空間・時間が、境界を持って並存するさま……などと考えていたが、それは結果としてマンガのような設えになり、「へ〜マンガ〜」と思われるだけだなとすこし落ち込んだ。まあマンガ〜でいいのかもしれない、マンガの仕組みはそのまま通じる部分があるし……。
イベントは無事実施され充実した時間になった。開催日である3月15日はコロナ感染拡大の第1波の頃で、気にかけながらも今とはそれなりに違う感覚で取り組んでいたように思う。この文章は2020年8月5日に書いており、その頃の自分たちを遠いところから眺めている気分。
*1 よだまりえ
《still there - Marie Yoda よだまりえ》
https://www.youtube.com/watch?v=uAjc2-6qrdQ
*2 今野裕一郎
《ドキュメンタリー映画『水の大師の姉弟』予告編》